ストーリー:40
映像:55
総合:52
評価:B
2006年・アメリカ
監督:
- スパイク・リー
- デンゼル・ワシントン
- ジョディ・フォスター、クライブ・オーウェン他
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スパイクリー監督のスタイリッシュ・サスペンス映画。デンゼルやジョディなどアカデミー級の出演陣で、「~」というふれこみの完全銀行強盗犯罪を描いた作品。題名の「インサイド・マン」の意味は最後の最後で分かります。
はっきり言ってこの映画は失敗作です。スパイクリーのこだわりは随所に見えます。超A級の俳優陣を起用しつつも、それぞれを主張しすぎずに、うまくバランスをとったり、カメラワークにこだわったり。それだけにもったいない内容です。。まずキャスト。上記したような意図があるとしても、映画を見ている人達はもっと期待してしまうのが正直なところです。細かい演技(例えば目線での演技)はさすがという内容で全体のバランスもうまく取っているんです
が、このストーリーに合っていない。ここにとてもギャップを感じてしまいます。
劇のフィールドも狭く、ほとんどが同じ場所での話で動きがない。この手法をとるなら、もっとフィールドに動きがあり、内容の変化にも富んだ脚本でやったほうが観客に上手く意図が伝わるはずです。正直言ってこのストーリーにジョディは必要ありません。むりやり割り込ませた感が否めません。だったらクライブとデンゼルでもっと緊迫した一騎打ちを展開させた方が全然楽しめたはずです。だって、この脚本は完全犯罪を行う頭のキレる犯罪者と犯人交渉のスペシャリストの駆け引きを描いた作品なのだから。
次にストーリー。なんか上手くやったようでしたが、全然犯人のやり方はスタイリッシュでも何でも無く、「映画だからこそ成功した」って感じですね。犯人が失敗する要素は幾らでも考えられ、「どこが完全犯罪じゃい!」といった感じです。大体最後のオチだって、気づくヤツは気づくだろ~という気もします。銀行に侵入してからずっと掘っていた穴も、ただの「便所」ですからね。簡易便所でも持ってきゃいいじゃねえか!穴じゃ臭くて絶対気が狂うはず。。また妙に人道的だったり、甘い要素もたっぷりです。それに人質全員に同じ格好をさせて目を眩ませるなんて全然目新しいやり方でも何でもないし。ハデじゃないからスタイリッシュという訳ではありませんよ。
しかも銀行の会長の過去を目の敵にしてその会長のダイヤを盗むのも、なぜそんなに目の敵にしているのかにも全く触れず。犯人の素性や動機がいまいちハッキリせず、犯人サイドにのめり込めない。
この映画の失敗の原因は、ズバリ「ターゲットと構成の矛盾」です。映画筋ではなかなか高い評価を受けているようですが、それは前述したような細かいテクニックがあるから。玄人向けに作るのは勝手ですが、見る人の大半は素人なのです。全国公開映画を作る以上、一方通行の映画ではどんなにこだわった内容でも観客には伝わりません。
まあこれは映画だけじゃなくてどの業界でも同じ事ですが。。ターゲット(観客)を楽しませて(観客が分かるように)かつ、その上で監督のこだわりや細かいテクニックを駆使してこそ一流の監督であり一流の映画と言えるのです。そこんところを分かっていなかったのか、というのがこの映画をみた感想です。
P.S
劇中の犯人たちがお互いの事をスティーブ・Oと呼び合っているのにはウケました(分かる人には分かるはず)
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